製品原価に見るエンジニアリングソフトウェアの“見えにくい価値”
製品原価に見るエンジニアリングソフトウェアの“見えにくい価値”
前回のブログでは、エンジニアリングソフトウェアが製品売上高に占めるコスト割合について考えました。今回は視点を変え、製品原価の中にどのようにソフトウェアの使用が組み込まれているかを見てみましょう。
製品原価とは、材料費、人件費、加工費、外注費などを合計した「製品を1つ作るためにかかる直接的な費用」です。しかし、ここには実際に使われたソフトウェアの費用は明示されないケースが多く、間接費としてまとめて処理されてしまいます。
たとえば、CADを使って作図した時間、CAEを使って解析した工数、PLMで管理された設計データのトレーサビリティ。これらすべては設計品質を高めるために不可欠ですが、原価明細の中に「ソフトウェア費用」として姿を現すことはほとんどありません。
この「見えないコスト」こそが、企業にとっての競争力を生む源泉であり、経営層や購買部門にとっての“盲点”にもなり得ます。
今後、原価管理や設計効率を考える際には、「人件費だけでなく、設計を支えるIT環境(ソフトウェア群)の価値をどう測るか」が重要な指標となってくるでしょう。
製品を開発するうえで、エンジニアリングソフトウェアは「単なる道具」ではなく、「設計そのものを変革する力を持つ投資」です。これを見える形にする努力が、今まさに求められているのかもしれません。
💡OpenLMの活用案
製品原価に埋もれがちなエンジニアリングソフトウェアの“間接的価値”を定量的に捉えるには、利用状況の定期的なトラッキングと可視化が不可欠です。
OpenLMを導入することで、以下のような視点が得られます
見えにくいソフトウェアの価値を“設計力の一部”として評価し直すことが、これからの製造業には必要とされており、OpenLMはその基盤となる可視化ツールとして機能します。
ソフトウェア利用時間に基づいた工数換算
設計工数の中で、どのソフトウェアがどれだけ使われたかを客観的に示せるため、原価計算にも反映可能です。
部門別の利用プロファイルの自動生成
どの部門がどのツールを集中的に使っているかが明確になり、設計活動におけるツール依存度を定量的に評価できます。
監査・レポート機能による透明性の向上
設計プロセスにおけるライセンス利用の履歴が記録されることで、工程管理やISO監査にも対応しやすくなります。
原価管理の可視化によって、将来の見積精度が向上
各製品開発におけるソフトウェア活用の実績を蓄積することで、次のプロジェクトや新しい受注における見積作成時の根拠資料としても活用できます。