見える化の必要性は痛感。でも一歩を踏み出せない理由
― フローティングライセンス管理の現場から考える
1. きっかけは「もったいない」という違和感
CAD・CAE などの フローティングライセンス管理 を担当していると、
- ピーク時以外は空席だらけ(ユーザ部門から利用できないという報告が来ない)
- 部門によって使用率が大きく偏る
といった“もったいない瞬間”を誰もが目にします。
情報システム部門も「ソフトウェア費用の対効果を示せ」と経営に迫られる場面が増え、必要性は強く認識されています。
2. それでも踏み切れない 3 つの壁
壁 | 具体的なハードル | よく聞く声 |
---|---|---|
データ統合の複雑さ | FlexLM/FlexNet に代表されるライセンスサーバー、SaaS API、エージェントログが混在 | 「設定が大変で勧められない」 「もっと緊急性の高い仕事がある」 |
組織の縦割り | 設計部門(ツール保有)と情シス(管理責任)が分かれている | 「どちらが主導か決まらない」 |
ROI の見えにくさ | 効果試算に現場データが必要 → 取れない → 試算できない | 「元が取れるか示せず稟議が通らない」 |
3. 小さく始めて大きく伸ばす 3 ステップ
- ライセンスサーバー 1 台から PoC
- 主要モジュールだけを対象に週次レポートを自動生成。
- 「放置セッション」「利用ピーク」の数字を出して削減効果を定量化。
- 横串ワーキンググループを作る
- 設計・情シス・購買が月 1 回でも数字をレビューする場を設置。
- 「誰が何を決めるか」を先に合意し、ツール導入の前に議論を回す。
- ROI を金額換算で提示
- 例:1 ライセンス 200 万円 × 未使用 5 本=年間 1,000 万円削減。
- 経営層は数字に敏感。“次の投資” が承認されやすくなる。
4. 行動に移すためのチェックリスト
- PoC のスコープを 小さく 絞ったか?
- 設計・情シス・購買の 横串メンバー を定例化したか?
- 削減効果を 金額で換算 し経営へ示したか?
ライセンス最適化は単なるコスト削減に留まらず、設計リードタイム短縮 や 投資判断の迅速化 につながる全社的な DX テーマです。
一歩目は小さくても、まず数字を出してみる。そこから組織は動き出します。
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無償のPoCや、無償のログデータ分析ツールの紹介が可能です。
”使えばわかるその効果!”をキーワードにしています。