ServiceNowとOpenLM
ITAM領域における “似ているようで違う” 2つの役割とは?
最近、製造業のお客様と話をしていると、「ServiceNowがあるならOpenLMは不要なのでは?」、「ServiceNowがあるから全てのアプリケーションの管理はできている」と話題になることがあります。
確かに、どちらもITAM(IT Asset Management)やソフトウェア管理の文脈で登場しますし、“ライセンス管理” というキーワードも共通しています。実際、比較検討の対象として名前が並ぶことも増えてきました。
ただ、現場レベルで運用を見ていくと、両者はかなり役割が違います。特にCAD/CAE環境では、その違いがはっきり見えてきます。
まず、ServiceNowは企業IT全体を統合的に管理するためのプラットフォームです。もともとはITSM(ITサービス管理)の製品として広まりましたが、現在ではITAM、CMDB、セキュリティ運用、ワークフローなども含め、「企業ITをどう整理・統制するか」という領域で非常に強い存在になっています。
特に大企業では、
- 申請フロー
- 承認管理
- 資産台帳
- インシデント管理
- IT統制
などを一つの仕組みで管理したいというニーズが強く、ServiceNowがIT運用の中心になっているケースも珍しくありません。
一方で、製造業のCAD/CAEライセンス運用は、一般的なIT資産管理とはかなり性格が異なります。
例えば、
- Siemens NX
- CATIA
- ANSYS
- MATLAB
- AVEVA
などは、1ライセンスが数十万〜数百万円になることもあります。しかも多くはフローティングライセンスで、「インストールされているか」よりも、“今、誰が使っているか” のほうが重要になります。
さらに、
- Token制御
- Feature単位利用
- Borrow
- 同時利用制限
- Idle放置
など、運用もかなり複雑です。
そのため、単純な資産管理だけでは現場運用が見えません。
実際、CAD/CAE環境では「ライセンスが足りないので追加購入したい」という話が頻繁に出ます。しかし調べてみると、
- 特定ユーザが長時間占有していた
- 起動したまま離席していた
- 夜間に不要ジョブが動いていた
- 一部Featureだけ不足していた
というケースはかなり多くあります。
つまり、“本当に不足しているのか” を見ないまま追加購入すると、高額な無駄投資になる可能性があります。
この分野で強いのがOpenLMです。
OpenLMは、CAD/CAEライセンス管理に特化した製品で、FlexNet、DSLS、RLM、Sentinel、LM-Xなどのライセンスサーバを直接監視できます。
特徴的なのは、「契約を管理する」というより、“実際の使われ方” を見ることに強い点です。
例えば、
- 今、誰が使っているか
- 何本空いているか
- DENIEDが発生しているか
- どの部門が多く使っているか
- 何時にピークが来るか
といった情報をリアルタイムで確認できます。
この “利用実態の見える化” が、OpenLMの大きな価値です。
つまり、ServiceNowとOpenLMは、同じITAM領域で語られることはあっても、実際には見ている場所がかなり違います。
ServiceNowは「企業IT全体をどう管理するか」を見ています。一方OpenLMは、「CAD/CAEライセンスが実際にどう使われているか」を見ています。
| 項目 | ServiceNow | OpenLM |
|---|---|---|
| 主な役割 | IT運用全体の管理 | CAD/CAEライセンス最適化 |
| 強み | ワークフロー・CMDB・統制 | 利用分析・可視化 |
| 主な利用部門 | 情報システム | 設計・CAE |
| ライセンスサーバ監視 | 限定的 | 非常に強い |
| リアルタイム分析 | 弱い | 強い |
| Idle検知 | 基本なし | 可能 |
| DENIED分析 | 限定的 | 強い |
| CAD/CAE特化 | 弱い | 非常に強い |
そのため、実際の導入現場では「どちらを選ぶか」という話にはあまりなりません。最近は、OpenLMで利用実態を分析し、ServiceNowで運用フローや承認に載せる、という構成を考える企業が増えています。
例えば、OpenLM側でライセンス不足傾向を検知し、ServiceNow側で追加購入申請を回す。あるいは、OpenLMの利用データをCMDBやIT運用レポートに連携する、といった形です。
そのため今後は、ServiceNowやBI基盤、社内ポータルなどと組み合わせて使うケースがさらに増えていきそうです。
ServiceNowとOpenLMは、確かにITAM領域で比較される製品です。ただ、実際にはかなり役割が違います。
ServiceNowは、企業IT運用を整理・統制するための基盤。OpenLMは、CAD/CAEライセンスの利用実態を分析し、最適化するための専門ツールです。
特に製造業では、「契約を管理する」だけではなく、「実際にどう使われているか」を見る必要があります。
その意味では、ServiceNowで全社IT運用を管理しながら、OpenLMでエンジニアリングライセンスを最適化する。この組み合わせが、かなり現実的な形になってきているように感じます。
ServiceNowとOpenLMはすでにアダプターによるインテグレーションが実装され、すぐに利用できるようになっています。OpenLMホームページ

