フローティングライセンスとは?
フローティングライセンスとは?仕組み・固定ライセンスとの違い・メリットを解説
フローティングライセンス(Floating License)とは、購入した一定数のライセンスを、ネットワークを通じて複数のユーザーで共有するライセンス方式です。利用者全員分のライセンスを用意するのではなく、「同時に使用する人数」に合わせて契約数を設計できる点が特徴です。
CAD・CAE・EDAなどのエンジニアリングソフトウェアをはじめ、業務アプリケーション、RPA、開発ツールなどでも採用されています。本記事では、フローティングライセンスの仕組み、固定ライセンスやネットワークライセンスとの違い、メリット・デメリット、導入時の注意点をわかりやすく解説します。
フローティングライセンスとは
フローティングライセンスでは、ライセンスサーバーが契約数と利用状況を管理します。ユーザーが対象ソフトウェアを起動するとライセンスが1つ貸し出され、終了するとサーバーへ返却されます。返却されたライセンスは、別のユーザーが利用できます。
- 管理方法:ライセンスサーバーで一元管理
- 利用単位:登録ユーザー数ではなく同時使用数
- 主な用途:CAD、CAE、EDA、BIM、開発ツールなど
たとえば、ソフトウェアを利用する可能性がある社員が50人いても、同時に利用する最大人数が10人であれば、10ライセンスで運用できる場合があります。ただし、必要数や利用条件はソフトウェアベンダーの契約規約によって異なります。
ネットワークライセンスとの違い
「フローティングライセンス」と「ネットワークライセンス」は、実務上ほぼ同じ意味で使われることがあります。どちらも、ネットワーク上のライセンスサーバーを介して、複数ユーザーが一定数のライセンスを共有する方式を指します。
ただし、製品やベンダーによって呼称や利用条件が異なるため、契約前には利用地域、拠点、VPN・クラウド利用、持ち出し機能などの条件を確認することが重要です。詳しくはネットワークライセンスとフローティングライセンスの比較記事もご覧ください。
固定ライセンスとの違い
| 比較項目 | フローティングライセンス | 固定ライセンス |
|---|---|---|
| 利用者・端末 | 複数ユーザー・端末で共有 | 特定ユーザーまたは端末に固定 |
| 利用上限 | 契約した同時使用数まで | 割り当てられたユーザー・端末のみ |
| 柔軟性 | 高い | 比較的低い |
| 管理 | ライセンスサーバーが必要 | 比較的シンプル |
| 向いている環境 | 利用時間や利用者が変動する環境 | 特定担当者が常時利用する環境 |
どちらが有利かは、単価だけでは判断できません。利用者数、同時使用数、稼働時間、業務の優先度を確認したうえで選ぶ必要があります。
フローティングライセンスのメリット
1.ライセンスコストを最適化しやすい
全利用者分ではなく同時使用数を基準に契約できるため、利用時間が重ならない環境では余剰ライセンスを抑えられます。
2.利用者や端末の変更に対応しやすい
プロジェクトや担当者の変更があっても、許諾された範囲内でライセンスを柔軟に共有できます。複数部門や複数拠点で利用する企業にも適しています。
3.利用状況を一元管理できる
ライセンスサーバーのログを活用すれば、誰が、いつ、どの機能を利用したかを把握できます。利用実績に基づいて更新数や追加購入を検討できるようになります。
4.未使用ライセンスを再配分できる
管理ツールを利用すると、長時間使われていないライセンスを回収し、必要なユーザーへ再配分できる場合があります。
フローティングライセンスのデメリットと注意点
- 同時使用数を超えると起動できない:利用が集中する時間帯にはライセンス不足が発生します。
- サーバーとネットワークが必要:障害時の影響を考え、冗長化や監視を検討する必要があります。
- 利用条件が製品ごとに異なる:拠点間共有、海外利用、VPN接続、クラウド環境などの可否を確認してください。
- 契約数だけでは最適化できない:ピーク同時使用数や拒否回数、利用時間を継続的に分析する必要があります。
導入に向いている企業・利用環境
- CAD・CAE・EDA・BIMなど、高額なエンジニアリングソフトウェアを利用している
- 利用者は多いが、全員が常時ソフトウェアを使用するわけではない
- プロジェクトや繁忙期によって利用者・利用時間が変動する
- 複数部門・複数拠点のライセンスをまとめて管理したい
- 利用実績を根拠に更新・追加購入・削減を判断したい
導入前に確認したい5つのポイント
- 対象者数:利用資格を持つユーザーは何人か
- ピーク同時使用数:最も利用が集中する時間帯に何人が使うか
- 利用時間:起動時間だけでなく、実際に活用されている時間はどの程度か
- 運用条件:拠点、VPN、クラウド、持ち出し利用が契約上認められているか
- 管理方法:ログ収集、アラート、レポート、回収機能が必要か
現在の利用状況が不明な場合は、まずライセンスサーバーのログ分析を行い、ピーク利用や未使用ライセンスを把握する方法があります。
OpenLMでできるライセンス管理
OpenLMは、CAD・CAE・EDAなどのエンジニアリングソフトウェアを中心に、フローティングライセンスの利用状況を可視化・分析するライセンス管理ソリューションです。
- ライセンスの使用数、ピーク、拒否状況の可視化
- ユーザー・部門・拠点別の利用分析
- 未使用・低使用ライセンスの把握
- 長時間占有されているライセンスの回収支援
- 更新・追加購入・削減判断に使えるレポート作成
単にライセンスを「管理する」だけでなく、実際の利用データをもとに、必要数と運用方法を継続的に改善できる点が重要です。
よくある質問(FAQ)
同時に何人でも利用できますか?
いいえ。契約したライセンス数が同時使用の上限です。10ライセンスであれば、原則として同時に利用できるのは10ユーザーまでです。
固定ライセンスと併用できますか?
製品の契約条件によりますが、併用できるケースがあります。管理ツールを活用すれば、複数のライセンス形態をまとめて可視化できる場合があります。
クラウドやVPN環境でも利用できますか?
技術的に利用できる製品はありますが、ベンダーの契約条件、ネットワーク構成、セキュリティ要件の確認が必要です。構成によって条件が異なるため、事前にご相談ください。
フローティングライセンスにすれば必ず安くなりますか?
必ずしも安くなるとは限りません。ライセンス単価、同時使用数、保守費用、サーバー運用費を含めて比較する必要があります。利用ログに基づいて適正数を算出することが重要です。
ライセンス不足はどのように判断できますか?
ピーク同時使用数だけでなく、ライセンス取得を拒否された回数、発生時間帯、待機による業務影響を確認します。拒否があるから直ちに追加購入が必要とは限らず、回収や利用時間の調整で改善できる場合もあります。
まとめ
フローティングライセンスは、一定数のライセンスを複数ユーザーで共有する仕組みです。利用者や利用時間が変動する環境では、柔軟な運用とコスト最適化が期待できます。一方で、ライセンス不足やサーバー障害を防ぐため、利用状況を継続的に把握することが欠かせません。
iTractionでは、OpenLMによるライセンス利用状況の可視化や、ライセンスサーバーログの分析を支援しています。現在の契約数が適正か確認したい、更新前に利用実績を整理したいという場合は、お気軽にお問い合わせください。


