「困っていない」は最適に使えている証拠?―ライセンス管理と活用の違い

「必要な予算は確保されている」「利用者から苦情もない」「アプリケーションは起動している」——。それなら、エンジニアリングソフトウェアは最適に活用されていると言えるでしょうか。

CAD・CAEなどの高価なエンジニアリングソフトウェアについて、利用状況の可視化をご提案すると、ときどき次のような丁寧な回答をいただきます。

現在利用しているライセンス管理機能は、購入元からすでに提供されています。必要な予算も確保されており、大きな課題ではないため、新たなサービスを導入する必要性はありません。

まったく筋の通った回答です。ただし、ここにはひとつ、言葉のすれ違いがあります。

「最適化」が「新しい管理ツール」に変換されるまで

ライセンス最適化の提案が一般的な管理ツールとして認識される社内のすれ違いを描いた漫画

私たちが確認したいのは、契約数や有効期限、ライセンスサーバーが動いているかどうかだけではありません。

しかし「ライセンスの利用状況を可視化しませんか」という話は、社内を一周するうちに「新しいライセンス管理ツールの提案」に変換されがちです。

  • 契約本数は管理できている
  • 有効期限も分かっている
  • ライセンスサーバーの稼働状況も確認できる
  • 予算も確保されている
  • 利用者から「使えない」という苦情もない

これだけそろえば、「特に問題はない」という判断になるのも自然です。

「起動している」と「活用している」は同じではない

ここで見落とされやすいのが、ライセンスログが示す「利用中」と、ユーザーが価値を生み出している「活用中」は、必ずしも同じではないという点です。

たとえば、CADを起動したまま会議に出ている。CAEを開いたまま別の仕事をしている。必要になるかもしれないので、とりあえずライセンスを確保したままにしている。これらはログ上では「利用中」と記録される可能性があります。

だからといって、こうした時間をすべて無駄と決めつけるべきではありません。設計を考える時間、計算結果を待つ時間、同僚と検討する時間も、エンジニアリング業務には必要です。

大切なのは、ユーザーを監視することではなく、起動時間の中身を理解することです。

ライセンスの保有と起動を管理することと実際の活用を最適化することの違いを描いた漫画

「困っていない」は、最適化できている証拠ではない

ライセンスが十分にあり、いつでも起動できる環境では、利用者は困りません。管理部門にも苦情は届きません。

ところが、困っていないからこそ、「実際にどれだけ活用されているか」を確認する機会がなくなります。

契約100本、起動70本という数字が分かっていても、その70本がどの機能に、どの部門で、どの程度の時間、実際の仕事に使われたかは別の問いです。

目的はライセンス削減ではありません

利用状況を可視化する目的は、ライセンスを減らすことではありません。

  • どのアプリケーションや機能が、実際の業務で使われているか
  • 起動したまま操作されていない時間がどの程度あるか
  • 部署や拠点によって利用の偏りがないか
  • 契約形態が実際の使い方に合っているか
  • 必要な投資を、利用実績に基づいて説明できるか

こうした事実を確認し、仕事の進め方や契約、運用をより良くすることが目的です。データを確認した結果、ライセンスを増やすべきだと分かる場合もあります。

管理とは、保有数や起動状況を把握すること。最適化とは、ライセンスが実際の仕事でどのように価値を生んでいるかを理解することです。

OpenLMで「起動中」の内側を見る

OpenLMでは、ライセンスサーバーのログをもとに、製品・機能・ユーザー・部門・時間帯など、さまざまな切り口で利用状況を把握できます。

「予算があるから問題ない」「苦情がないから問題ない」で終わらせず、現在の投資がどのように活用されているかを、まず事実から確認してみませんか。

“困っていない”は、“最適に使えている”でしょうか?

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