デフレ時代のライセンス管理は「買わずに済ませるための管理」だった
CAD・CAEなどの高価なエンジニアリングソフトウェアでは、ライセンス管理という言葉が長く「契約数を把握し、無駄を見つけ、追加購入を避ける仕事」として使われてきました。
デフレ下では、その考え方に合理性がありました。予算を増やすより、今ある資産を長く使い、現状を維持することが評価されやすかったからです。
「管理できている」と「活用できている」は違う
ライセンスサーバーが動き、契約期限が管理され、利用者から大きな苦情もない。これだけを見ると、管理はできているように見えます。
しかし、それだけで最適に活用できているとは限りません。ライセンスを起動している時間と、エンジニアが実際に操作・計算して価値を生み出している時間は同じではないからです。
- 起動したまま操作されていない時間はどのくらいあるか
- 特定の曜日や時間帯だけ利用が集中していないか
- 夜間や休日に実行できる解析ジョブはないか
- 部門ごとの繁閑差を越えて共有できないか
- よく使われる機能と、ほとんど使われない機能は何か
「困っていないから問題がない」という判断にも注意が必要です。必要な予算が確保され、十分な本数を保有していれば、待ち時間は表面化しません。しかし待たずに使えることと、購入した能力を十分に活用できていることは別です。
可視化はライセンスを減らすためだけではない
可視化の話をすると、「ライセンスを減らされる」と身構える方がいます。しかし目的は、利用していない時間を見つけて回収することだけではありません。空いている時間を仕事に変え、運用を改善し、それでも足りなければ追加投資の必要性をデータで説明することです。
「現場が足りないと言っている」ではなく、「この曜日のこの時間帯に上限へ達し、業務量は今後これだけ増える」と説明できれば、追加購入はコストではなく生産性向上への投資として扱えます。
買わずに済ませるための管理から、必要なものを必要なだけ、納得して買うための管理へ。
次回は、OpenLMによる可視化を「削減の道具」ではなく「投資判断の情報基盤」として活用する方法を考えます。

